健康児童と心臓性突然死
循環器学会プレスセミナーに参加しました。テーマは「みんなで知ろう児童生徒の心臓性突然死とAEDの役割」で、講師は三重大三谷義英先生でした。
試合中に倒れたサッカーの松田直樹選手と、東京マラソンで倒れた松村邦洋氏の生死を分けたのは、約30万円のAEDが近くにあったかどうかである、というショッキングな事例に始まり、学校でのAEDの整備の必要性が述べられた。
現在学校検診で小中高の一年生全員に心臓検診が義務づけられているが、心臓検診で異常がなかったり、異常があっても経過観察の児童の管理は極めてむつかしいため、学校での心停止事例を完全になくすことはできない。健康児童であっても野球のボールが胸に当たったり、あるいは何らかの原因で胸を強打して心臓振盪を起こし心停止した例もある。この際、速やかなAEDの施行ができれば救命率は極めて高く、予後もよいという。
現在、日本の学校のほとんどにAEDは配置されているが、規模の大きい学校への複数台の設置、教職員・生徒への救急蘇生法並びにAEDトレーニングの必要性が求められた。
日本の高齢化はすさまじい。日常生活の中でいつ心停止事例に遭遇するかわからない。地域におけるAEDの配置場所を確認するとともに、機会があればAEDトレーニングを受けておくとよいであろう。循環器学会からAEDサスペンスドラマゲーム「心止村湯けむり事件簿」が作られました。一度アクセスください。